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2018年07月28日

庄野潤三の本 山の上の家

 『庄野潤三の本 山の上の家』(夏葉社)が入荷しました。

庄野潤三の本 山の上の家


 庄野潤三が1961年から約50年にわたって暮らし、小説や随筆を書き続けた川崎の生田の「山の上の家」。この本はその家の写真から始まり、単行本未収録作品や随筆、作家が描いた子どもたちのスケッチ、長女と長男によるエッセイ、佐伯一麦さんや岡崎武志さんのエッセイ、全著作案内ともりだくさんな内容になっています。

 私は全著作案内のうち、『プールサイド小景』『静物』『夕べの雲』など初期の20冊について執筆しました。好きな作家を聞かれたら「庄野潤三」と答え続けてきた甲斐があって、夏葉社の島田さんから声をかけていただきました。

 庄野潤三の本は、私にとっては『大草原の小さな家』くらいに自分とはかけ離れた、遠い時代の遠い国で営まれるすてきな暮らしといった存在でした。リアルタイムでも読んでいたのに。
 今回、本を眺めながらあらためて「川崎だったのか、小説に出てくるみなさんの暮らしはいまこの瞬間も続いているのか」と不思議な気分になっています。長女夏子さんのあとがきには、夏子さんの四男の正雄さんの結婚式のことが書かれています(ロマンスカーのなかで離乳食を食べていた正雄さんが!)。

 ここ数日、この本の刊行を待ちながらまた庄野潤三を読みかえしていました。何度読んでも胸がいっぱいになり、読めば読むほどこの世界が好きになっていきます。
 好きな作家がこんなに美しい本になって、その本に関わることができて幸せです。

 8月6日は荻窪の本屋Titleさんで、夏葉社の島田さんと『山の上の家』出版記念のイベントをやります。この本が飛ぶように売れる場に立ち会えるかと想像するとまた嬉しいです。

 もちろんウララでも販売しています。本体2200円+税。送料200円で配送もいたします。これまで庄野潤三を読んだことのないかたも、ぜひ触れてみてください。


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Posted by 市場の古本屋 ウララ at 15:18 │本の紹介