-----------------------------------

(宣伝です)
★ネットショップ
市場の古本屋ウララ 通信販売部

★店主の本
『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』ボーダーインク
 2013年7月発行
 2023年10月第2版出来

『市場のことば、本の声』晶文社
 2018年6月発行

『増補 本屋になりたい』ちくま文庫
 2022年7月発行

『三年九か月三日 那覇市第一牧志公設市場を待ちながら』
 2023年3月発行

-----------------------------------

2012年04月04日

耳切り坊主

 CD『沖縄のわらべうた』(沖縄文化社)を扱いはじめました。800円。
耳切り坊主


 監修は、わらべうた研究の第一人者である高江洲義寛さん。歌は「玉城静江琉舞道場」の子どもたちで、伴奏はない。
「ずれてるのがかわいいんです」
 と沖縄文化社の社長、徳元さんは力説する。

 14曲入りで約10分。あっというまに終わってしまうけど、つい「心が洗われます」とか言ってしまいそうなくらい、子どもの歌声っていいものですね。

 題名を知らないまま耳にしていた歌もいくつかあった。なかでも、最後の3曲「花ぬ風車」「いったー あんまー まーかいが」「耳切り坊主」は毎日16時半すぎに市場に流れている。
 気になるのは「耳切り坊主」。のんびりゆったりした曲で、こんな不穏なタイトルがついているとは思いもしなかった。

 『沖縄大百科事典』によると、
黒金坊主という怪僧が妖術を使い世人を惑わすので、北谷王子が退治しに出かけ、耳を切り落とし殺す。そのご殺した大村御殿の角には耳のない坊主の亡霊が立つという首里の伝説に基づいている。

 歌詞の最後、「なちゅる わらべ みみグスグス」は、「泣いている童 耳グスグス」。「グスグス」を『沖縄語辞典』(大蔵省印刷局)で引いてみる。
gusugusu 物を切るさま。さくさく。ざくざく。hoocaasaani ~ cijuN.ほうちょうでさくさく切る。

 「泣いている童 耳ざくざく」!!
 こわすぎる。

 ある人と、子どもの頃に読んだ耳なし芳一のせいでその後は怪談がまったく読めなくなった話をしたあとだったので、よけいにぞっとした。耳は、切らないでください。


同じカテゴリー(本の紹介)の記事
新春『EKE』セール
新春『EKE』セール(2024-01-08 12:52)

神奈川大学評論など
神奈川大学評論など(2023-05-20 12:25)


Posted by 市場の古本屋 ウララ at 17:36 │本の紹介
この記事へのコメント
ウララさま

このCDには楽譜などついていたりするのでしょうか?
Posted by すぎすぎ at 2012年04月04日 17:52
『耳切り坊主』は,好きな歌の一つです。

でも,この唄は子守唄。
ぜったい子供は恐ろしくて眠れないと思うのですが。


ちなみに,

『沖縄のわらべうた』
 髙江洲義寛
 沖縄文化社

に,わらべうた30曲と五線譜の楽譜が掲載されています。
Posted by あきやん at 2012年04月04日 22:01
ウララさん こんにちは(^。^)

耳切り坊主は三線を習い始めた
時に学んだ曲ですね
指使いが繰り返されるので初心者には優しい
曲ではあります。

この曲と赤田首里殿内を同時期に習いました。

童歌にかぎらず童話でも残酷な結末が多いですね 不思議だ

おねしょしてしまうぞ
と心配するオジィ
Posted by 祝人 at 2012年04月05日 05:36
 皆さまコメントありがとうございます。

 あいにくCDには歌詞カードのみで、楽譜はついていません。
 あきやんさんのご紹介くださった『沖縄のわらべうた』書籍版はあいにく沖縄文化社さんで品切れになっています。
 祝人さんもおっしゃるようにメロディーは単純なので、採譜するのは難しくないと思います。

 どうしてこんな怖い歌が子守唄なるのでしょうね。魔よけ?
Posted by 市場の古本屋 ウララ市場の古本屋 ウララ at 2012年04月05日 16:24
『沖縄のわらべうた』書籍版は品切れですか。

それならば,

『五線譜による沖縄の民謡』
普久原恒勇 編著
発売元 マルフクレコード

に「大村御殿」(うふむらうどん)という曲名で楽譜が掲載されています。


ところで,その「大村御殿」耳切り坊主が立っていた場所。

首里の以前の県立博物館の場所がそうだったそうです。

たしか,博物館跡地の石壁の横に案内看板があったと記憶しています。
Posted by あきやん at 2012年04月05日 23:08
 さらなる情報、ありがとうございます。
 そうですか、違う曲名もあるんですね。『五線譜による沖縄の民謡』も現在は入手が困難です。楽譜であれば本屋より楽器屋さんで聞いたほうがいいかもしれませんね。
 県立博物館は新都心に移ってからしか知りません。今度散歩してみます。
Posted by 市場の古本屋 ウララ市場の古本屋 ウララ at 2012年04月06日 17:35