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『増補 本屋になりたい』ちくま文庫
 2022年7月発行

『三年九か月三日 那覇市第一牧志公設市場を待ちながら』
 2023年3月発行

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2012年01月28日

30年前のウララ

30年前のウララ

 季刊くりま第9号『長寿日本一 沖縄の食』
 文藝春秋 昭和57年7月1日発行

 今週の火曜日、古本屋の模合で手に入れた。

 随所に「本土復帰十年」と出てくるように、まる30年前に出た本である。水曜日に店に持ってきて、この頃のどぎついカラー写真はいいなあと思いながら眺めていた。
 「色彩の饗宴 牧志公設市場を歩く」という章をめくっていくと、見覚えのあるような風景が出てきた。
30年前のウララ


(スキャナがないので汚くて申し訳ありません)

 何列にも並ぶスクガラス、これは市場のあちこちにありそうな風景ではある。でも、左端に傘屋さんがある。これは旧正月に豪快に傘を広げていた平安山さんではないだろうか? ということは、
「浦崎さん、これ」
 立ち上がって写真を見せると、
「ああ、これ私よ」
 あっさり答えが返ってきた。真ん中の青い服の女性は、30年前の浦崎さん。
「じゃあ、右端のシャッターが下りているところは」
「あんたの本屋よ」
30年前のウララ


 間口75センチの空間がしっかり写っている。
「この日は休んでたから、私が店を広げてるの」
 昔から休みの日にはお互いの前に店を広げるしくみがあったのだ。

「このへんはみんなスクガラス屋で、スクガラス通りって呼ばれてたんだよ」
 写真のキャプションには「瓶づめ屋。1軒ではなく、3軒の店がつながっている」とある。台もつながっているから、下に穴を開けてそこから出入りしていたらしい。(腰を痛めそうだ)
 浦崎さんのスクガラスは今も変わらず瓶づめだけれど、ニンニクは袋づめ、塩辛は箱づめに変わった。食べるラー油のような新しい商品も増えた。

 写真を撮ったのは垂見健吾さんで、今も市場の常連である。3月に出版されるという沖縄ガイドには、30年後の市場がたくさん写っているはず。


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Posted by 市場の古本屋 ウララ at 16:25 │本の紹介
この記事へのコメント
 初めての書き込みです。今日通りがかってはなしたものです。

 この写真、懐かしいですね。実を言うと私は生まれも育ちも同じ浮島通りです。この写真見て、小学生のころを思いだいしました。あの頃傘屋さんもありましたよ。

あのころから漬物屋をしているのは浦崎さんだったんですね。 市場の風景、いつまでも残してほしいものです。

 今度コーヒーでも飲みながら、うちなーゆんたくしたいです。美容やお肌の手入れに興味はあるでしょうか? 今ブームになっている「月桃」や「クチャ」の話もしたいです。沖縄の自然素材は、美容にいいものも多いです。一緒にお肌のお手入れしましょ!!!
Posted by 美江 at 2012年01月28日 22:49
季刊くりま第9号『長寿日本一 沖縄の食』を買いたいのですが、東京まで送料受取人払いで送っていただけますか。送料込みでいくらになるでしょうか。上記メールまでご連絡いただければ幸いです。
じつは私の長女が「麗」と書いて「うらら」と読みます。次女は1982年生まれで、この本の刊行年です。次女は「萌」と書いて「めぐむ」と読みます。なんとなく買って置いておきたいと思いました。
お元気そうで何よりです。
Posted by 新田 準 at 2012年01月30日 10:40
美江さま
 今日も来てくださってありがとうございました。
 流れ者としては、ひとつの場所にずっと住んで町の変遷を見続けることにあこがれます。いろいろ悲しい思いもすることになるのだと思いますが。
 またお立ち寄りください。

新田さま
 ごぶさたしております。お問い合わせありがとうございます。
 本の件、メールでご連絡させていただきます。
Posted by 市場の古本屋 ウララ市場の古本屋 ウララ at 2012年01月30日 15:36