-----------------------------------

(宣伝です)
★ネットショップ
市場の古本屋ウララ 通信販売部

★店主の本
『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』ボーダーインク
 2013年7月発行
 2023年10月第2版出来

『市場のことば、本の声』晶文社
 2018年6月発行

『増補 本屋になりたい』ちくま文庫
 2022年7月発行

『三年九か月三日 那覇市第一牧志公設市場を待ちながら』
 2023年3月発行

-----------------------------------

2021年02月27日

均一本

 『小説すばる』の連載「小さな本屋の本棚から」。現在発売中の3月号は「均一本」について書きました。店を増床して新たに始めたコーナーです。売り上げの厳しい中でもここだけは動いてくれて、気持ちを救われています。

 が、同じ号の花村萬月さんの連載「たった独りのための小説教室」に〈古書店の店頭に、どれでも百円と記された平台があります〉と始まる一節があり、〈賞味期限切れどころか消費期限切れだ。食えない物を店頭に置くな〉など辛辣な言葉が並んでいます。古書店を批判するために書かれているわけではなく、〈これがいまの小説という表現がおかれた絶対的な事実であり、現実だ〉ということなのですが、申し訳ない気持ちになりました。

 均一本のコーナーを始めてよかったのは、これまで立ち寄ることの少なかったまわりの店の人たちが、ちょくちょく覗いて買ってくれるようになったことです。
 そのうちのひとりのお店の前を今週のはじめに通りがかったら、路上に敷いたシートの上に文庫本を並べて「1冊100円」という紙が置かれていて、びっくりしつつ笑いました。もちろん本屋ではありません。
 さすがに地べたはどうかと思ったのか、翌日には段ボールに詰められていました。専門外だろうが、商売になりそうならひとまず試してみる市場の人たちの心意気が好きです。

均一本




 店の斜め向かいの琉球銀行牧志市場出張所が、2月19日に閉店しました。移転先は牧志駅近くのさいおんスクエアで、店番中に歩いていける距離ではありません。
 両替や振込ができなくて不便になることばかり心配していましたが、いざ閉まってみるとシャッターの面積も大きく、通りがますますさびしくなりました。土日もATMが開いていて明るかったことに初めて気がつきました。
 公設市場と銀行という大きなよりどころを続けて失った市場中央通り(の私)ですが、また市場が戻ってくる日をじっと待っています。

均一本


均一本











同じカテゴリー(日記)の記事
2023年のウララ
2023年のウララ(2023-01-04 15:56)

2022年のウララ
2022年のウララ(2022-12-30 14:18)

屋根のない日々
屋根のない日々(2022-12-15 15:05)

2022年11月11日
2022年11月11日(2022-11-11 11:11)

2022年のウララ
2022年のウララ(2022-01-05 16:36)


Posted by 市場の古本屋 ウララ at 16:41 │日記