アーケードの本 宇田智子
「おかえりなさい、アーケード」展の最終日に、ようやく届きました。
『アーケードの本』
著者 宇田智子
挿画 武藤良子
装丁 宜壽次美智
印刷 プリントパック
発行 市場の古本屋ウララ
2024年9月15日 第1刷発行
B6 90ページ
【目次】
はじめに
一
屋根の夢
アーケードを建て替える
市場中央通りの3つのアーケード
市場本通りのアーケード
一九九〇年夏の市場中央通り
アーケードの本
二
アーケードとはなにか
パサージュとアーケード
公私のあいだに
バブルの幻影
日本の商店街のなりたち
商店街の写真に写るもの
小さな民
台湾のアーケード
友愛の表現
傘を建てる
知識人とアーケード
(小休止)
マイクラで学ぶアーケード
暗いところ
三
おかえりなさい、アーケード
アーケード工事中
紙のアーケード
風船の夢
おわりに
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「はじめに」より
2018年2月から、那覇の市場中央通りのアーケードの再整備の活動に携わるようになった。古本屋である私のみならず、関わるすべての人にとって初めての経験で、立ち止まったり引き返したり打ちのめされたりしながら、手探りで前に進んでいった。
それまで、アーケードになんの関心もなかった。私にとってアーケードは最初からそこにあるもので、だれがつくったか、なくなったらどうなるかなど考えもしなかった。なくなるかもしれないと言われて初めて、市場中央通りのアーケードの歴史に目を向けた。
やがて沖縄だけでなく日本と世界のアーケードの成り立ちも知りたくなり、アーケードの本を集めはじめた。再整備の話しあいでは避難通路の幅や資材の価格高騰といった現実的な問題について考えなければいけないけれど、ひとりで世界のアーケードの写真を眺めて、その下を歩く人たちに思いをはせるのは楽しかった。
24年8月、ついにアーケードが完成した。この本は、9月に私の店で開催する「おかえりなさい、アーケード」展にあわせて制作した。アーケードにまつわる個人的な思いつきや本の感想や妄想を書いている。まちがいや誤解がたくさんあるはずなので、お気づきの点があればご指摘ください。
アーケードの再整備についての詳細は、『アーケードはつなぐ 那覇・市場中央通り第1アーケード再整備の記録』(市場中央通り第1アーケード協議会)をご覧ください。
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アーケードの再整備に関わった6年6か月間、数々の課題と相次ぐトラブルに悩まされるかたわら、アーケードという存在のおもしろさに目覚めて、本を読んだり道ばたの屋根の写真を撮ったりしてあれこれ妄想するようになりました。だれかにそんな話をするひまもないまま、ひとり頭のなかにため続けたよしなしごとを書きつけたのがこの本です。よろしければ、おつきあいください。
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アーケードの本
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