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 2022年7月発行

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2014年03月15日

岡村淳監督ドキュメンタリー上映会第二夜/忘れられない日本人移民

 昨日に引き続き、来週開催する岡村淳監督ドキュメンタリー上映会の関連本を紹介します。

岡村淳監督ドキュメンタリー上映会第二夜/忘れられない日本人移民



『忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅』岡村淳 2013年 港の人

 3月22日(土)に上映予定の『ブラジルの土に生きて』
 この作品は岡村さんの著書『忘れられない日本人移民』で取り上げられています。最終章、「時をかける移民 石井敏子さん」。この章には、21日に上映する『消えた炭鉱離職者を追って・サンパウロ編』の主人公である犬養牧師も登場します。

 本の最後に置かれただけあり、作品への、また石井夫妻への岡村さんの強い思い入れを感じます。
 石井延兼さんは1909年に横浜で生まれ、17歳でひとりブラジルに渡りました。敏子さんは1912年に京都で生まれ、20歳のときに日本に帰国中だった延兼さんと縁談をして、ふたりでサンパウロに移住しました。
 5人の子育てが終わると夫妻はミナス・ジェライス州の農場を購入し、サンパウロを離れました。そこで敏子さんは農場の粘土を混ぜ合わせて焼き物にしてみることを思い立ち、70歳で陶芸を始めます。「ブラジルの土に生きて」というのは比喩ではなく、敏子さんはブラジルの土で壺や茶碗を焼いているのです。

 この作品は若い女性にとりわけ人気があるそうです。家族を支えながら自分の仕事を静かに続ける敏子さんの魅力は文章からも伝わってきます。2時間半という長さですが、今回ぜひ上映してもらいたいと思いました。

 また、石井夫妻に向き合う岡村さんの姿にも惹かれました。サンパウロから車で12時間かかる農場に4年間通って撮影をし、作品ができたあとも訪問を続ける。岡村さんの文章には、明治時代に端を発すブラジル移民たちの時間と、ブラジルから地球を半周する日本までの距離、そのあいだに生きる人々が何層にも重なりあっているのですが、最終章では特に時空の広がりを感じました。岡村さんが敏子さんの農場を去るとき、夕日に焼けるモエダ山脈を眺める場面は鮮烈です。

 文章に流れる時間は、映像ではどのように表現されているのでしょうか。観るのが楽しみです。
 上映会にも少しずつご予約が入ってきています。どうぞお気軽にお出かけください。

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ブラジル移民ドキュメンタリー上映会&岡村淳監督トークライブ
第二夜:3月22日(土)18時半開場・19時開演
 『ブラジルの土に生きて』
・場所: kiyoko sakata studio (那覇市壺屋1-4-4 1F左)
・入場料:1000円+1ドリンクオーダー
・ご予約・お問合せ:市場の古本屋ウララ urarabooks(a)gmail.com【(a)を@にしてください】
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Posted by 市場の古本屋 ウララ at 17:30 │本の紹介